化学的な肥料や農薬を一切使用しない、オーガニックな自然栽培を心がけています。化学肥料は水に溶けやすいと言われており、河川に流れ込むことで環境汚染につながり、結果的に人に悪影響を及ぼす懸念が拭えませんでした。「人に、家族に優しい作物」にこだわり続けた結果、自然を大事にした農法にたどり着きました。自然の中で自分の力だけで育った作物には、厳しい環境に耐え抜いてきた力強さがあります。その力強さもいっしょに食べていただいて、美味しく健康になって欲しいと思います。

無農薬栽培をしていて一番感じるのは、農園の中に自然と生態系が作られていることです。化学肥料を使っているとそれだけ害虫も多くなり、農薬も多く使わなければならなくなります。そこから急に無農薬に変えても、何年も続けなければうまくいきません。私の農園では長い間無農薬で栽培を行っており、葉っぱを食べる害虫はいますが、その外注を食べる昆虫や鳥などもいて、一つの生態系を形作っているため、そこまで害虫の被害に悩まされることもありません。自然動物が多いのも、無農薬で安全なことを、動物たちも知っているからなのでしょう。

農産物を作る上で、たくさん作ることと、栄養素がたくさん含まれていて美味しく作ることは、多くの場合相反することになります。たくさん作ろうと思えば、たくさんの水と肥料をあげてたくさんの実を付けることが必要ですが、そうすると、一つ一つの栄養素や美味しさはそがれてしまうのです。自然農法で作ることは、たくさん作ろうとするやり方ではなく、自然に任せ、少量でも美味しく、たくさんの栄養素を含んだ作物を作ることを意味しています。実際に食べてもらえれば、その違いを実感していただけると思います。

せーちゃん農園では、自園で採れた農産物を加工するための加工所を持っており、一つ一つ手づくりで商品を仕上げています。菊芋は、収穫後ブラシで１個1個土を落とし、茎の部分腐りやすいため切除作業を行い、洗浄します。何十キロもの菊芋を一つ一つ手作業できれいにしているため、手間ひまがかかっています。最後まで、一つ一つ手づくりで商品に仕上げることで、お客様に安心・安全かつ健康を保つ商品を届けたいという思いが、そこに詰まっています。

菊芋商品を作るに際には、フリーズドライ製法を使って安心・安全に製造しています。いろいろな商品が出来てきたのは、「1年中菊芋を食べたい」といったお客様からの声があり、それを叶えたいと思ったときに、最適な商品がない。「世の中にないならば、自分で作ってしまえ」と考え、「菊芋チップス」や「菊芋パウダー」、菊芋の若葉を利用した「若葉っ粉」といった商品が生まれました。生産から加工まで一貫して行うことで、食の安心・安全の確保に努め、お客様に健康になれる商品をお届けできるよう、日夜努力を重ねています。